みなさんご存知のようにサッカーにはフォワード、ミッドフィルダー、ディフェンダー、ゴールキーパーと大きく分けると4つのポジションがあります。
ゴールキーパーは唯一手が使えるポジションのため、ルール上もゴールキーパーを特定する必要があるのですが、それ以外のポジションは区別というのは必ずしも必要ではありません。
日本代表もフォワード登録の選手ばかり選ばれたり、一昔前ではミッドフィルダー登録の選手ばかりが選ばれたりするのはそのためです。
さらに、フォワードでもセンターフォワード、シャドーストライカー、ウィング。
ミッドフィルダーではトップ下、サイドハーフ、ウイングバック、ディフェンシブハーフ。
ディフェンダーはサイドバック、センターバック、スイーパーなど更に細かくわけることができます。
各ポジションの違いとは?
それでは、ウイングとサイドハーフの違いは何でしょうか?
一般的には、3トップの両サイドはウイング、1トップのときのサイドの選手をサイドハーフと呼びますが、そもそも1トップと3トップの違いはなんでしょうか?
昔はフォワードの選手はディフェンスに参加することが少なかったので明確でしたが、フォワードにも高い献身性、守備力が求められる現代サッカーでその違いはあるのでしょうか?
このようにポジションと言うのは明確に分けられるものではありません。
ポジションの名前というのは多くは、外から見てる人(解説者やジャーナリスト)が付けることが多いように思います。
なぜならその方が視聴者や読者にはわかりやすいからです。
解説するときに大事なのは正確性よりもわかりやすさなので、それ自体は悪いことではないのですが、指導者は別です。
どんなに複雑な役割であっても練習を通してそれを理解させるのが仕事ですので、表面的なわかりやすさよりも、役割を正確に理解させることが最重要となります。
欧米で主流の番号制
日本で指導している時は、自分の選手の役割が一般的に呼ばれてる名称と一致しないことが多く、ポジションを伝える時にどう呼ぶべきか迷うことがありました。
例えば、ディフェンス時はセンターバック的な役割で、攻撃時はミッドフィルダー的な役割になるような場合です。
そこで便利なのが、英語圏で主にポジションを表すために使われる番号制度です。
これは自分のフォーメーションに1から11番の番号を割り当て、ポジション名の代わりに番号で呼ぶことができます。
例えば、4-3-3であれば、1番はゴールキーパー、2,5番はサイドバック、3,4番はセンターバック、6,8番はディフェンシブミッドフィルダー、10番はアタッキングミッドフィルダー、7,11番はウィング、9番はセンターフォワードのような形です。
この方式の良いところは、選手に役割を教えるときに余計な先入観を与えずに役割を落とし込むことができることです。
先ほどのセンターバックと守備的ミッドフィルダーの場合、どちらとも言わずに「ウチの6番は、攻撃時はー、守備時はー」などと説明すると先入観を与えずに正確に役割を伝えることができます。
この各ポジションでの役割は、戦略(戦略については他のコラムをご参照ください)を立てる段階で、各状況ごとに明確にする必要があります。
実際、オーストラリアのAライセンス以上のコーチングコースでは自分の戦略を踏まえた上で、自分のチームの各ポジションの選手の役割を明確にすることが求められます。
それと同時にオーストラリアサッカー協会は自分たちの戦略を明確にしているため、それぞれのポジションの役割も明確になっており、ジュニア年代のコーチはその役割を選手に与えることでオーストラリアとして、ポジションにおける共通認識を持つようにしています。
サッカーのポジション名を使うことの問題点
先に述べたようにサッカー解説ではポジション用語が多く用いられるため、選手たちはそこに影響され、自分のポジションがどこなのかを気にすることが多くあります。
日本でもオーストラリアでも、特に最初のポジション練習や試合は、たいてい「3バックってこと?」「偽9番?」「ウィングなの?それともサイドハーフ?」と聞かれることが多いのですが、そのときはいつも「名前が必要なら好きなように名付けていいけど、他のチームのポジションとは一切関係ないから、このチームでの自分の役割をしっかり理解しよう」と言っています。
また、ポジション名使うことの問題点としては、選手に先入観を与えてしまうこともあるのですが、指導者自身もポジション名が頭にある状態で考えるとどうしても既成概念が邪魔をして自由な発想ができず、サッカーを哲学するときの障害になりかねません。
選手の役割を考える際はポジションという考えを一度捨ててみて、どの選手が、どの状況で、どのような役割でプレーして欲しいかを考えるとまた違ったものが見えてくるかもしれません。


