「レベルの違う子供たちにどのような練習をすればいいのかわからない」という悩みを抱えている指導者の方も多いのではないでしょうか?
特に小学生年代ではレベルの差が顕著に現れます。今回はスペインバスク地方にてアスカルチャFTのU19とU11の監督を務め、UEFAプロライセンス保有指導者でもある岡崎篤さんにどのような心がけで指導を行っていらっしゃるのかをお聞きしました。
指導の個人化の徹底
僕は11歳の子ども達の指導をしていますが、そこで心がけていることは指導の「個人化」に徹することです。
選手達はそれぞれ全く違う存在です。性格もサッカーをやっている目的も得意なプレーの種類も違います。
それはそれぞれが抱える課題が完全に異なっていることを意味します。僕が抱えている選手の数は12人いますが、日々の活動ではその異なった12個のプロジェクトがそれぞれ独立して進行しているわけです。
それぞれに寄り添う作業が指導者である自分に求められた役目だと思っています。「グループ」や「チーム」というのはアプローチする対象にはなりません。
そもそもそんなものは存在するのかな?と疑問になることもあります。あくまで存在するのは個であり、アプローチする対象も個です。
ただこのように「個の育成」の徹底を謳うとどうしても語弊が出てきます。
往々にしてボールを扱いがうまくなることと同義とされてしまいがちだからです。しかしそれは意図と合うものではありません。
“普遍的な”道具
知識も技術も全て分けることなく体で覚えていくべきです。ですので、僕は敢えて戦術や技術という言葉を使わず「道具」という言葉を使っています。
これからこの子達がどんなチームでもどんな指導者の元でもずっと使うことのできる“普遍的な”道具を獲得していく作業に如何に寄り添うことができるか。
それが日々の自分が取り組んでいる作業です。僕が今の子ども達と取り組んでいる道具の中には主にこういったものがありますので紹介します。
例:「ピッチを大きくする(中央にスペースを空ける為、ボールが来た時にプレッシャーが到着するのに時間をかける為)」
「三角形」「パスコースを作る」
「ボールが来る前に見ておく」「体の向きを作って情報を得やすくする」
「遠い選手が味方に情報を与える(声を出す)」
「ポジション有利を獲得する」「プルアウェイの動き」
「現れる(スペースに顔を出すタイミングを図る)」「相手とボールの間に自分の体や脚を入れる(ボディプロテクト)」
「ボールをプレーした後すぐ次の準備に入る」「クロスへの詰めるエリア」
「プレー間の継続性を持つ」etc
尚、これらは自チームがボールを持っている時に必要な道具例です。自チームがボールを持っていない際に必要な道具はまた別にあります。
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個人のレベルが違うのは当たり前で、チームの単位として見るのではなく1人1人の課題に常に寄り添うことが大切だと語ってくださった岡崎さん。
そして選手たちの未来を見据えてどの指導者の元でもずっと使えることのできる力を育成することに注力されています。
では個人の課題に沿いながら普遍的な道具を身につけさせるトレーニングはどのように行えばいいのでしょうか?
次回のコラムでは「トレーニングの準備の始まりから仕上げまで」を語っていただきます。


