サッカーと出会って間もない低学年においては、主にドリブル練習など1対1に必要なスキルを身に付けます。その理由は、まだ「チーム」という概念がなく、1人称が基本にあるためです。
そして2年生後半から3年生になってくると、次第に団子のようにボールに集まるプレーヤーが徐々に広がりを見せ、ここでようやく「チーム」という概念が芽生え、チームとしてボールをどのようにすればより早く相手ゴールに運ぶことができるか?というテーマでチーム練習に入るかと思います。
チームとしてボールをどのようにすれば早く相手ゴールに運ぶことができるか?
ドリブルで突破するよりもパスで運ぶほうが早いのは当たり前ですが、ではどのように味方プレーヤーにパスを出せば良いのか?ボールを受けるプレーヤーはどのようにボールを受けるのか?
目的意識が無く、ただなんとなくパス練習をしているチームをたまに見かけますが、しっかりと目的意識を持ち、試合中での適当なパスを無くすことが重要です。
そこで今回は、ジュニア育成年代で役立つチームで連動して行うパス練習メニューを紹介していきます。
パサーに求められる技術
パサーに求められる技術は、状況に応じて、味方プレーヤーの足元への正確なパス、動いている味方プレーヤーが受けやすい場所へのパスというコントロール技術です。
しっかりとインサイドキックで正確なパスができるように練習しておきましょう。
また、パスの基本はグラウンダーのパスです。ボールが浮いてしまうと、味方プレーヤーがトラップすることが難しくなってしまうため、味方プレーヤーがトラップしやすいグラウンダーのパスを心がけます。
受け手に求められる技術
受け手に求められる技術はトラップ技術です。トラップ技術がなければ、せっかくの味方プレーヤーからのボールを失うことになります。足の様々な箇所でボールをトラップできるようにしておきましょう。
スウエアパス① 移動なし
プレーヤーが横に3人並びます。
ボールは2つです。
左のプレーヤーと中央のプレーヤーがボールを保持します。
左のプレーヤーは右端のプレーヤーへパス、中央のプレーヤーは左端のプレーヤーへパス、右端のプレーヤーはボールを受けたら中央のプレーヤーへパス、左端のプレーヤーは中央のプレーヤーからパスを受け、右端のプレーヤーへパス。
この一連のパス交換をゴールへ向かって動きながら行います。
慣れてきたらスピードを上げながら行います。
スクエアパス② 移動しながら
プレーヤーが横に3人並びます。
ボールは1つです。
動き方は中央の選手を例にすると、中央→左端→中央→右端→中央という流れです。
3人がそれぞれ空いたスペースへ移動しながらパスを交換してゴールへ向かって移動します。移動しながらのパスは味方の足元へのパスでは連動性がなくなるので、味方が動きながらボールを受けやすいタイミングでパスを出してあげることが重要です。
スクエアパス③ ワンタッチ
プレーヤーが横に3人並びます。
ボールは1つです。
スクエアパス②と同じ内容ですが、トラップしてからパスではなく、ワンタッチでパス交換を行います。ジュニア年代でも、優れたチームと対戦して経験したことがあるかもしれませんが、非常にプレッシャーが激しいチームと対戦すると、1トラップしている間にプレッシャーを受けてしまい、パスのタイミングを逃してボールを奪われてしまいます。そこでワンタッチのパスができるようにしておくことで、対応できるチーム力が養われます。それぞれのプレーヤーが空いているスペースへ移動しながらワンタッチでパス交換できれば、流れるような連動感を作り出すことができます。
ワンタッチパスで注意したいのがボールを浮かせず、グラウンダーのパスを意識することです。
ワンタッチのようなダイレクトパスは、力加減が難しく、どうしてもボールが浮き気味になってしまいます。ボールを浮かせないコツは、被せるような気持ちでボールにインサイドを当てることです。
まとめ
小学3年頃からチームとしてサッカーになりつつありますが、その理由は1人称からの卒業にあります。広いピッチをワイドに使い、スペースを見つけてパス交換することを覚えれば、また違ったサッカーの楽しさ、チームワークを学ぶことができます。
その上で今回紹介したスクエアパスを是非練習メニューに取り込んでみていただきたいと思います。