サッカーの練習の中で、シュート練習をもっとも大切な練習の1つです。
毎日の練習がシュート練習、またはシュートを打つセクションが入る練習をするという指導者の方も多いはずです。
今回はそんなシュート練習のポイントを探り、日本代表でも課題とされているゴール前の決定力を上げていきましょう。
サッカーのシュートとは何か?
サッカーにおけるシュートとは得点を奪う最後の時に発揮するテクニックになります。
(これ以降、テクニックとは判断を伴った技術の発揮を言います。)
オウンゴールやアクシデント的なラッキーゴールを除き、サッカーにおける全てのプレーはシュートを打つためにあります。
パスやドリブルと言った攻撃のスキルだけではなく、大きな局面で言えば、守備もそれに当てはまると言って良いでしょう。
そして、相手は反対のこと、つまりシュートを打たせないことに必死になります。
サッカーの試合時間の中でシュートを打つ回数は決して多くありません。
その中でシュートの機会を逃さない、ゴールを決めるには結局のところシュートのテクニックになります。
それは育成年代から学んでいかなくてはなりません。
サッカーのシュート練習で注意すべき技術の構成要素
では、サッカーのシュートに必要な技術とは何でしょうか?
蹴球と書くぐらいですので、シュートもキックの1つに違いありません。
サッカーの他のキックの種類との違いは、強いキックを正確に蹴ることです。
「サッカーはゴールへのパス」という趣旨の言葉や指導法があり、それを否定するのではありません。
ただ、現代サッカーでは強いシュートをGKのいない四隅に正確に蹴れないといけません。
GKの技術が格段に上がってきているからです。
それでは強いキックを蹴るための技術の構成要素とは何でしょうか?
以下の通り、箇条書きにします。
・ボールを注視する(ボール全体ではなく中心を観る)
・ボールへのアプローチ
・軸足の強い踏み込みとその位置
・上半身も柔軟にフルに使う
・素早いテイクバックからのインパクト
・より強いシュートのために足の反発係数が高いインステップにミート
(正確性を優先させる場合や距離ならばインサイドでも問題ありません)
・サーフェイス(ボールが当たる面)の固定
・スムーズなフォロースルー(最初は蹴りたい方向に足を振ることを意識)
・蹴った足がリバウンドへの1歩目
以上を意識してサッカーのシュート練習に打ち込んでください。
特にシュートドリルの練習では意識しながら反復しましょう。
サッカーの練習時から意識するシュートのためのOFFの必要性
サッカーのシュート練習において、先に書いた通り、ドリル形式の反復練習は大切ですす。
ここでは詳細は割愛しますが、ドリルだけでは判断が伴いにくいので、テクニックは習得しにくくなります。
そこで必ず最後はゲームの中で正しい判断の発揮ができるようにしましょう。
ポジショニング、相手DFやGKとの駆け引き、シュート機会を逃さない意識などを習得できるようにゲームに戻しましょう。
ただ、やはり、 最終的にはサッカーのシュートは足で行う分、より技術獲得に神経を注ぐことになりますね。
サッカーのシュート練習に有効な壁打ち
当然ですが、サッカーの技術の習得には反復が欠かせません。
しかし、シュート練習にはサッカーのゴールやGKが必要になってきます。
ほとんどのチームに多くのゴールやGKを専門にプレーする選手がいるわけではありません。
そのため、どうしてもシュートを打つ順番を並んで待つという反復とは程遠い現象が起こります。
サッカーの練習にはNo lineという合言葉があります。
要は練習するのに並んで待たないような工夫をしましょうということですね。
そこで壁打ちをお勧めいたします。テニスでは一般的かも知れませんが、1人で練習ができるという点でサッカーでも有効です。
サッカーどころの静岡県では、ほとんどの小学校にサッカーゴールとは別にぶつけても良い練習用の壁がありました。
JFAアカデミーでは壁打ち用の横長い壁があり、同時に多数の選手が壁打ち練習をしています。
ちなみに、サッカー協会のD級コーチライセンスでは、実技の練習メニューで壁打ちが紹介されています。
サッカーの技術習得に関する7秒間の考え方
サッカーの練習で壁打ちの有効性を書きましたが、もう一つの指針として、サッカーの技術習得には7秒間に一度、ボールに触れる必要があるということです。
先程の通り、順番待ちで長い時間を過ごしていては、身につくものも身につきません。
サッカーのシュートはテクニックです。その土台となるのはやはりボールを自由自在に扱える技術なのです。
壁打ちは正確に、強く蹴れば蹴るほど、正確に早く帰ってきます。しかも、順番待ちがないので、すぐに反復できます。
サッカーのシュート練習における7秒間の考え方(現代サッカーから)
先ほどサッカーの技術には7秒間に1回の割合でボールに触れる重要性を書きました。
壁打ちの練習は技術の構成要素を確認したり、ボールを捉える感覚を養うには最適です。
ですが、そのシュート練習のステップを1つ挙げるとするなら、次はより強く!ということになります。
すでに述べた通り、現代サッカーではPKであっても、タイミングを完璧に外すか、ゴールの隅に強いシュートを打たなければゴールが難しくなっています。
ロングシュートなら尚更ですね。
ここで気をつけたいのは、サッカーのシュートはかなりのパワーを使うということです。
つまり負荷が高く、発育発達の段階によっては、繰り返し強いキック(特にインステップキック)を行うと腸骨の剥離骨折を引き起こします。
ですので、サッカーのシュートのような強いキックを練習する場合は、7秒間にこだわらず、30秒から60秒に1回の割合でもOKです。
但し、再掲しますが、順番待ちはご法度です。シュートを打って、例えば30秒間くらいのドリブルコースを通って、スタートに戻るような工夫が良いのではないでしょうか。
まとめ
1.サッカーのシュートとは何か?=すべてのプレーがシュートのためにある
2.サッカーのシュート練習で注意すべき技術の構成要素=分解して学ぶのもOK
3.サッカーの練習時から意識するシュートのためのOFFの必要性=ゲームで打てるように
4.サッカーのシュート練習に有効な壁打ち=1人でできる技術習得法
5.サッカーの技術習得に関する7秒間の考え方=順番待ちをしない反復を
6.サッカーのシュート練習における7秒間の考え方(現代サッカーから)=シュートは強い負荷を伴うことを理解して
よく日本サッカー、マスコミでは、シュートが入らないことを決定力不足と言い、新聞紙面を賑わすことがあります。
その原因をメンタルや戦術のせいにしがちですが、やはり、肝心なのは技術であり、判断を伴ったテクニックの発揮です。
育成年代から繰り返しシュート練習することで、世界に通用する必要なテクニックを習得しましょう。